トップ事例No.003
競技用(スポーツ)

ボールを持ったままブレーキをかけられる座面高に ― 車いすバスケットボール用 NACTUS NCT-BT

ガードとしてコートに立つ方の、バスケットボール競技用車いすの納品事例です。ボールを保持したまま腕でタイヤを押さえてブレーキをかけられる座面の高さ、ドリブルやシュートで踏ん張れる膝の角度とステップ高。競技の動きから逆算して決められた一台を、点検・調整のうえお届けしました。

ご利用者の状況
ご利用環境
体育館のフロアでの競技・練習用。日常生活用の車いすとは別に使用。
使用機種・カスタム内容
機種
NACTUS NCT-BT(日進医療器)
競技・ポジション
車いすバスケットボール/ガード
フレーム
アルミフレーム(シルバー)
車輪
スピナジーホイール SLX
タイヤ
Panaracer NEUTRON SPEC.R3
座面高
ボールを保持したまま、腕でタイヤを押さえてブレーキがかけられる高さ
ステップ・膝角度
ドリブル/シュート時に踏ん張りが利く角度と高さ
カスタム
座面の高さ、膝の角度、ステップの高さは、ご本人が「コート上でどう動きたいか」から逆算して決められた設定です。
今回は当社で採寸は行なっておりませんが、メーカーのスポーツ部門担当に聞き取り・製作していただいた車椅子をお客様にお届けし、出来上がりの確認、ステップの高さ調整など行いました。
PHOTOS

その他の写真

STORY

課題と解決のプロセス

1

競技用車いすのご相談も承っています

当社は日常生活用の車いすの製作・調整を主な業務としていますが、あわせて競技用車いすもお取り扱いしています。バスケットボール用のほか、テニス用、レーサー(陸上競技用)、フェンシング用など、競技ごとに設計の異なる車いすについて、ご相談・お取り寄せ・納品・その後の調整に対応しています。

今回は「納品」からのお手伝い

今回お届けしたのは、日進医療器の車いすバスケットボール用モデル NACTUS NCT-BT。採寸と仕様決めは当社の担当ではなく、すでに仕様の固まったお車をお預かりする形でのご依頼でした。そのため当社では、納品前の各部点検、車輪・キャスター・バンパーの取り付け状態の確認、お渡し時の増し締めと動作確認を担当しています。

競技用車いすは、選手ご本人の身体の状況とプレースタイルによって、同じ機種でも設定がまったく変わります。他所で採寸された一台であっても、「どういう意図でこの高さなのか」を伺いながらお渡しすることを大切にしています。

2
3

ガードとしての、こだわりの設定

お話を伺うと、設定の一つひとつに明確な理由がありました。

まず 座面の高さ。ボールを持ったままでも、腕でタイヤを押さえてブレーキがかけられる高さに合わせてあります。ガードはボールを持って前を向く時間が長いポジションです。「止まる」動作のたびにボールを手放していては、プレーが切れてしまう。その一瞬を消すための高さでした。

次に 膝の角度とステップの高さ。ドリブルやシュートの瞬間に、脚と体幹で踏ん張りが利くように設定されています。上半身だけで打つのではなく、下側から支えて力を伝えるための設定です。

前方にはバンパーバーとキャスター2輪、後方には転倒防止キャスターが付き、車輪には強いキャンバー角。接触と急な方向転換が前提の競技用らしい構成です。

お渡しのとき

コートでお渡しし、実際に漕いでいただきました。第一声は「めちゃくちゃ軽く漕げる!」。

採寸から関わった一台ではありませんが、意図どおりに仕上がった車いすが、ご本人の手に渡って動き出す瞬間に立ち会えたのは、当社にとってもありがたい時間でした。

4
担当スタッフの声

競技用の車いすは、「速い車いす」がそのまま「その選手に合う車いす」になるとは限りません。座面をあと1cm下げれば止まりやすくなる代わりにリーチが変わる、ステップを上げれば踏ん張れる代わりに当たりに弱くなる——そうしたトレードオフの積み重ねで一台が決まっていきます。
今回は採寸を担当していないお車の納品でしたが、だからこそ「なぜこの設定なのか」をご本人から直接伺えたことが勉強になりました。ボールを持ったまま止まるための座面高、という発想は、競技をされている方の言葉でなければ出てこないものです。
当社ではバスケットボール用のほか、テニス用、レーサー、フェンシング用といった競技用車いすも取り扱っています。採寸からご一緒するご依頼も、今回のように納品・調整でお手伝いするご依頼も承っていますので、競技用をお考えの方はお気軽にご相談ください。

ご本人の声
ご本人より

【ポジション】ガード
【こだわりポイント】 ボールを持ったまま腕でタイヤを押さえてブレーキがかけられるような座面の高さに設定したことと、ドリブルやシュートを打つときに踏ん張れるような膝の角度とステップの高さに設定したこと。
【乗った感想】 めちゃくちゃ軽く漕げる!

同じようなお悩みはありませんか?
ご相談は、主治医または福祉事務所を通じて承ります。